農地転用とソーラーシェアリング

空き地や使わない土地の有効な活用法として人気のある太陽光発電。農地を転用して太陽光発電を行ないたいという方も数多くいらっしゃいます。しかしながら農地を別の用途で使用するためには農地転用の許可が必要となり、該当農地の状況によっては転用が認められないケースもあります。

そんな時に一度検討して頂きたいのがソーラーシェアリングです。以下ソーラーシェアリングがどのようなものかについて解説していきます。

 

ソーラーシェアリングとは?

ソーラーシェアリングとは簡単に言えば、耕作を続けながら太陽光発電を行うものです。農地に2m以上の高さの支柱を立てて農地の上空にソーラーパネルを設置し発電を行います。そして、その足元では耕作を行うということになります。

 

営農を続けながら太陽光発電を行うため、恒久的な転用ができない農地でも認められる可能性があります。しかしながら農地に農業とは関係のない支柱を設置し事業を行いますので、一時転用許可というものを取得する必要があります。

 

ソーラーシェアリングのメリット・デメリット

ソーラーシェアリングのメリット・デメリットについてみていきたいと思います。

 

〈メリット〉

  • 恒久的な転用が無理でもソーラーシェアリングなら認められる可能性がある
  • メンテナンスがほとんどいらず農業への労力を損なわず副収入が得られる
  • 耕作放棄地などの有効活用にも繋がる
  • 農地は日当たりが良いことが多いため効率的に発電可能

〈デメリット〉

  • 作物への日照を確保するためパネルの面積は恒久転用での設置より狭くなる
  • 通常の転用以上に必要書類が多いため申請が大変である
  • 一時転用のため原則として3年毎の許可の更新が必要となる(※1)
  • 毎年、ソーラーシェアリング対象農地の作物の生産状況を報告しなけらばならない

※1 2018年より一定の条件を満たす場合は転用期間を10年に伸ばす規制緩和が行われました。条件は以下の通りです。

  • 担い手が所有している農地または利用権などを設定している農地で、当該担い手が下部農地で営農を行う場合
  • 農用地区域内を含め荒廃農地を活用する場合
  • 農用地区域以外の第2種農地または第3種農地を活用する場合

ソーラーシェアリングに興味のある方は当事務所まで

耕作放棄地の活用や、副収入の確保のためソーラーシェアリングを検討されているという方は当事務所までお気軽にご相談ください。農地の一時転用等の手続きをサポートさせて頂きます。

ソーラーシェアリングを通して、土地の有効活用、地方の活性化を手助けすることができればと思います。

 

なお農林水産省のホームページにて詳細や、優良事例が紹介されておりますので参考にしてみてください。

農林水産省ホームページ

 

 

関連項目

●農地転用業務についてはこちらをご参照ください

「農地転用について」

 

●農振除外業務についてはこちらをご参照ください

「農振除外について」

 

●農地の取得をお考えの方へ

「長崎県内の農地取得時の下限面積について」